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PRP(多血小板血漿)療法

人がもともと備えている自然治癒能力を活性化させることで、治癒促進作用が期待されます。

当クリニックではPRP療法を用いて、難治性のスポーツ障害や関節症性疼痛に対する医療を行っております。外傷や術後の場合には、回復のスピードを早めることも期待できます。

自分の血液を採取→生物学的活性因子を濃縮→患部に注射

主な適応疾患

  • ケガ:各種肉離れ、足関節靭帯損傷、骨折、野球肘(靭帯損傷の急性期)
    オーバーユース:上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、膝蓋骨付着部炎、アキレス腱炎(文献的には推奨度は低い)
  • 手術後:骨折、膝靭帯再建術後、肩腱板修復術後
  • 関節症:変形性膝関節症、変形性股関節症など(大きな手術を受けるほどではない段階のもの)
    ※ PRP注射後に、一定の安静期間を設ける場合がありますので、現役選手で、繰り返しているオーバーユースに関しては、シーズンオフに行うほうが良い場合もあります。

MRIやエコーを使用し患部を詳細に観察し、注射でPRPを注入します。
この技術を応用することにより、従来よりも安全な穿刺が可能になります。

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」において求められる「再生医療等提供計画」に関する届け出を関東厚生局に提出しました。
●第3種・細胞培養加工物(PRP/多血小板血漿)軟部組織(筋肉、腱、靭帯等)
2018年8月30日受理
●第2種・細胞培養加工物(PRP/多血小板血漿)関節内投与 
2018年12月4日受理

PRP療法についてのよくある質問

「PRP(多血小板血漿)治療」とは?

患者さんご自身の血液の中にもともと存在する、組織を治癒させるために成分を抽出濃縮し、患部に注射する治療法です。

PRP(療法多血小板療法)の何が作用しているの?

PRPの主役は血小板。血小板の役割は、血液を固めて止血するですが、実はあらゆる組織を治す成分が、血小板内部のα顆粒に含まれています(表1)。組織を治す成分を成長因子といいます。その成長因子が損傷した組織の修復に作用し治癒を促進させてくれるのです。

表1:血小板のα顆粒中に含まれる各種成長因子・サイトカイン
成長因子 主な機能
PDGF
(血小板由来増殖因子) 
血管新生作用とマクロファージ活性             
線維芽細胞・骨細胞増殖
コラーゲン合成
TGF-β
(トランスフォーミング増殖因子)
線維芽細胞の増殖
フィブロネクチン・骨基質の沈着誘導
破骨細胞形成の抑制(骨吸収を抑制)
IGF-1
(インスリン様成長因子)
骨芽細胞の分化・増殖
VEGF
(血管内皮膚増殖因子)
血管新生、血管透過性亢進
EGF
(上皮成長因子)
上皮細胞と間葉系細胞の増殖
IL-1, IL-6, TNF-α 組織修復の初期反応に重要

 

出典:浜松大学保健医療学部紀要 第3巻第1号 P7-15より一部改変

「PRP治療の効果」とは?

PRP(多血小板血漿)治療は自分の血液の成分だけを用いた治療方法で、他人や動物由来のものを使用しないため免疫不全が起こらず、この点では多大なメリットがあるのですが、一方、年齢や体調などに左右され、場合によっては安定した効果が出にくいといった欠点があります。

安全性はどうですか?

自分自身の血液を用いますので、薬剤の副作用のようなものは基本ありません。
また、当クリニックが使用するPRP精製機器(Arthrex社製)はアメリカ、ヨーロッパですでに広く使われる機種で、従来の人が操作するところが少なく、細菌などが入ってくる可能性がほとんどありません。この観点から他とは違い、感染症の発生という観点でも非常に安全に使用できます。感染に非常に弱い関節腔内にも安全に投与が可能な方法と言えます。

副作用はありませんか?

PRPそのものが体に及ぼす重い副作用は報告されていません。ただし、PRPの特徴でもあるのですが、ある程度の赤み、腫れ、灼熱感が生じます。また注射という方法で行いますので、一般的な注射と同じく、刺針時の痛みや皮下出血などの合併症がある程度はあるとお考え下さい。腫れや痛みは施術後1週間くらい続くことがありますが、注入部位によってはそれ以上続くこともあります。

日常生活の制限はどうですか?

注入部位や疾患によって異なりますが、治療当日のマッサージや激しい運動や飲酒など、治療部位へ刺激が加わるようなことはお控えていただきます。

効果はどうですか?

即効性はステロイドなどに比べありません。徐々に組織の修復が起こり、自然な効果が認められてきます。効果やその持続期間は部位によっても異なり、また個人差があります。自分自身の組織を修復する治療なので、長期間にわたって治療効果が認められます。また効果が認められるまで繰り返し治療は可能です。

繰り返し行えますか?

効果が認められるまで繰り返し治療は可能です。PRPの治療を十分に理解されていれば、患者様の希望に沿って継続的に行うことも可能です。逆に、効果のない疾患や状態の場合には、治療そのものや治療の継続を、医師がお断りする場合もございます。

施術費用は?

PRP療法は保険適応外となり、自由診療です。したがって患者様の負担額は10割となります。
1回 20,000~150,000円(税別)
PRPの治療相談(実際の治療は後日改めて)は、一回1万円/30分

PRP投与疾患や投与部位により異なります。詳細や正確な治療費は医師の診察時にお尋ねください。

※施術後、患者様の個人的な事情、及び金銭等に関する問題に関しましては一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

※治療費に関しては、様々な受診パターンがあるために、本体部分以外(診察、検査、リハビリ指導、治療に関する説明ガイダンスなど)の要素が異なるために生じるものです。

その他

PRPの治療効果に関しては、世界中から学会や学術誌で報告がされています。ただし、採血後にどのように成分を調整するかの方法がいくつもあり、また何回程度行うのがベストなのか、あるいはどのようなリハビリと組み合わせたのかなどが標準化されていないこともあり、治療結果を必ずしも保証する説明をすることが出来ません。また、世界的にも類を見ない程素晴らしい国民皆保険制度を利用した保険診療で、安全性が高く、治療効果がある程度保証された標準的な治療を、なんといっても安く受けることのできる医療環境に慣れ浸しんだ日本国民にとっては、治療効果の受け止め方や費用に関して、取り入れることが感覚的に難しい点なのかもしれません。

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